村上春樹の短編集「女のいない男たち」のあらすじまとめ。

村上春樹

あの文学作家の巨匠村上春樹さんが9年ぶりとなる短編集

「女のいない男たち」を発売しました!

 

早くも書店に行って購入している方も多いとは思いますが

ここでまだ購入していない方のために

作品に収録されている話のあらすじを調べてまとめました。

 

全部で6篇あるようなのですが

最後の1編であり、表題にもなっている

「女のいない男たち」は書き下ろしとなっています。

 

自分は書店で買ったわけではないので

「女のいない男たち」は買ってからのお楽しみにしておきましょう(笑

気になる方はぜひ買って読んでみてください。

 

 

では、以下よりそれぞれのあらすじです。

 

 

「ドライブ・マイ・カー」

主人公の家福は、舞台俳優で20年近く連れ添った妻に子宮癌で先立たれた。
彼は演技派の性格俳優の部類だが、2歳年下だった亡き妻は正統な美人女優で、意志が強く底深い女性だった。
愛車の黄色いサーブ900コンバーティブルを駆って、恵比寿の自宅から仕事場の銀座に在る劇場、時としてテレビ局などに通っていた。
或る日、軽く酔って運転中に接触事故を起こして免停になり、緑内障の兆候も見つかったため運転を諦めた。
専属運転手を馴染みの修理工場経営者である大場に頼んだところ、渡利みさきという24歳の若い女性ドライバーを推薦してくれ、同乗した試運転で彼女の優秀さが分かり、直ぐに採用した。
赤羽に住むみさきは、北海道中頓別町の出身で、化粧っ気がなくぶすくてぶっきらぼうで無口で可愛気がない。それだから噂が立たないからいい。また、ヘビースモーカー(マールボロ)と来ているが家福を乗せている間は極力抑えている。

みさきは、8歳の時に酒癖の悪い母を捨てた父、DV(家庭内暴力)を続けた自堕落な母が、みさき17歳の時に酔っ払い運転で自損事故を起こして死んだことを話してくれる。
そんな娘を相手に家福は、亡妻に対する愛と思慕の深さ、そんな素敵な彼女が、生まれて直ぐの女児を失った後から、共演相手の年下男優と浮気癖があったこと、そのうちの高槻という飲兵衛で軽い二枚目と怒りを抑えながら彼女の真相を探ろうと付き合っていたこともあった、に至るまで、告白してしまう。

50歳(知命)に入った家福にとって、死別後は何人かの女性と交際してはみたものの、妻との既視感の延長だった。私は本当はよく理解していなかったのではないかという焦躁と悔しさが内面から消え失せない・・・。

 

「イエスタデイ」

僕、谷村は早稲田の学生で、正門近くの喫茶店でアルバイトをしていた。
その時に知り合ったのが早稲田を目指している二浪で予備校生の木樽である。木樽は生まれも育ちも田園調布だが、完璧な関西弁をしゃべり。「イエスタデイ」を関西弁の歌詞で歌っていた。僕は芦屋の出身で、少し前に夙川に住んでいる彼女と別れたばかりだった。木樽には幼馴染みのガールフレンドで上智大学に通っている栗谷えりかがいるが、キス以上には進めないでいる。しかも、二人の仲はだんだんうまくなくなってきていた。だから、木樽は僕にえりかと付き合ってくれと言う。渋々、僕はえりかに会うが、何か木樽に悪い気がして次の約束はしない。えりかには木樽とは別に付き合っている同じテニス同好会の1年先輩の男がいる。

僕がえりかと会った時、えりかは良く見る夢の話しをする。それは、木樽と二人で長い航海をする大きな船に乗っていて、夜遅く小さな船室の丸窓から満月を見る夢である。でもその月は透明なきれいな氷でできている。そして下の半分は海に沈んでいる。その月の厚さは20センチくらいのものだと木樽は言う。でも目覚めると、もうどこにも氷の月は見えない。そんな夢である。
僕がえりかと会ってから二週間ほどして、木樽は突然アルバイト来なくなる。それから16年が経ち、僕はもの書きになっている。ある日、赤坂のホテルで開かれたワイン・テイスティング・パーティーでえりかに会う。彼女は主催した広告代理店の担当者だった。木樽の事を尋ねると今はアメリカのデンバーで鮨職人をしているという。色々話す中で、僕は彼女に僕と渋谷でデートした後でテニス同好会の先輩とセックスしたかを聞く。えりかは、一週間くらいあとに“した”という。そこで、僕は木樽が突然いなくなった理由を知る。木樽は勘の良い男だから、その事を彼女から聞かなくても分かったのだと思う。

 

 

「木野」

木野というのは主人公の名前であると同時に、彼のやっているバーの名前でもある。木野は17年間、岡山が本社のスポーツ用品販売会社に勤めていた。彼は東京勤務であったが地方に出張に出ることが多く、その間に妻は彼と会社で一番親しくしている同僚と仲が良くなっていた。ある日、たまたま出張から一日早く戻らなければならず、直接家に帰ると、同僚と妻がベッドで重なり合っていた。彼は即座に家を出て二度と帰らず、二日後に会社に退職届を出した。妻と離婚したのは言うまでもない。
木野は、伯母、つまり母親の姉が自宅の一階で喫茶店をやっており、その二階建ての家を以前から手放す事に決めているのを思い出し、借りる事にした。

神田が客として来るようになったのは開店して二ヶ月ほど経った頃であった。彼が物語のキーパソンである。また、バー「木野」には灰色の雌の野良猫が出入りするようになった。性行為を連想させる飲み方をする男女の二人連れも時々来た。木野はその女が一人で来たときに、何故かその女と寝てしまう。
そのうち猫が来なくなった。それを機会に、蛇たちが姿を見せ始める。最初は褐色の、次には青みを帯びた、三匹目は黒みを帯びた蛇であった。暫くすると木野は自分が蛇たちに取り囲まれているように感じるようになる。そしてある夜、神田が現れて「遠くまで行って、頻繁に移動し続け、毎週月曜日と木曜日には伊豆の伯母さん宛てに差出人の名もメッセージも一切書いてない絵葉書を出すよう」に言う。木野は神田の指示に従って、すぐに店を休業にして旅に出る。しかし、熊本のホテルでメッセージを書いた絵葉書を投函してしまう。そうすると、その夜中にドアを叩く音が聞こえる。暫くすると八階の自室の窓を叩く音に変わる。それが何を意味するか、木野には分かっていた。その音から逃れるために彼は自分の「想像」をコントロールし、「心」を取り戻す。

 

 

「独立器官」

谷村はスポーツジムで52歳の美容整形外科医・渡会という男と出会い、スカッシュを一緒にしたり、夜に食事を一緒にしたりする仲になった。渡会は内的な屈折や屈託があまりに乏しいせいで、そのぶん驚くほど技巧的な人生を歩まずにはいられない種類の人間の一人であった。彼は筋金入りの独身主義者であり、また職業柄、交際する女性に不自由したことがなかった。彼にとって同時に二人か三人の「ガールフレンド」を持つのは当たり前のことだった。今までトラブルが皆無というわけではなかったが、彼の「機転」で肩の骨を折られるような不幸な事態はもたらされなかった。
その渡会が16歳年下の子持ちの人妻に恋してしまう。そしてアウシュヴィッツに送られた内科医の話を読み、「自分とはいったいなにものなのだろう」と考え始める。
そんな話しをした後、渡会はジムに姿をみせなくなり、2ヵ月後、谷村は彼の秘書から彼が亡くなった、という連絡を受ける。
渡会は何も食べなくなり、心臓が血液を送り出すことが出来ないほど痩せ、心不全で亡くなったのだ。渡会は谷村に新しいスカッシュのラケットをあげるように、死ぬ前に秘書に頼んでいた。
渡会が生きる意志をなくしてしまった後に、秘書がくだんの人妻に来てくれるように頼んだが、来る事はなかった。彼女には夫や渡会以外に本命の彼氏がおり、夫と子供を残して既に家出をしてしまっていた。
谷村は、渡会が「すべての女性には、嘘をつくための特別な独立器官のようなものが生まれつき具わっている」、と言っていたのを思い出す。
渡会も独立した器官で恋をしていたので、本人も意思ではどうにもできなかった作用だった。

 

 

 

「シェエラザード」

羽原と一度性交するたびに、彼女はひとつ興味深い、不思議な話を聞かせてくれた。『千夜一夜物語』の王妃シェエラザードと同じように。

羽原は警察からなのか、彼の所属する組織の敵対勢力からなのか、相手や理由は分からないが、姿を隠すために北関東の地方都市にある「ハウス」に送られ、そこから外へ出ることができない状態。そんな彼のもとへ「支援連絡員」として食料品や雑貨の買い物などをする女性がやって来る。
彼女の「支援活動」は買い物だけではなく、彼とのセックスも「職務」のひとつ。彼女は性行為を終えたあと、巧みな話術で彼の興味をそそる。羽原は彼女をシェエラザードと名付ける。彼女を『千夜一夜物語』の王妃シェエラザードになぞらえて。

 

 

 

「女のいない男たち」

 

これが書き下ろし作品となります。

内容はぜひとも購入して読んでみてください。

 

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